どうも、釣り人の有馬です。
2021渓流シーズン最終日から使用し始めたリール、カーディナル。
2022渓流シーズンでは、和賀川本流以外の渓流では全てカーディナルを使用していました。
以前の僕は、カーディナルに対して、なぜわざわざ古いリールを使うのか疑問に思っていました。
どう考えたって、現代のリールにはかなわないと思うじゃないですか。
メリット
まず、メリットというか僕がカーディナルを購入した理由から。
それが、クラシカルな見た目なんですね。
特に、使用しているモーリスグラファイトワークスのロッドに似合うと思っています。以前は、このクラシカルな見た目に何も感じませんでしたが、このロッドを使うようになってからカーディナルに魅力を感じるようになっていました。
で、ほぼ見た目だけで購入したのですが、使用しているうちに現代のリールより良いと思える点がわかってきました。
それが、なんといってもフェザリング(サミング)のし易さです。
カーディナルは、インスプールといってローターの中にスプールが入り込む構造になっています。
最近のリールだと、アウトスプールで一番遠い位置にスプールが移動している時だと、人差し指が空振りしてしまうのかフェザリングミスすることがありました。
せいぜい1cmくらいの違いだと思いますが、何時間も釣りをしているとこの違いに気付きます。
次に、カーディナルのメリットだと思うのが、ハンドルを回すことでベールを返すハンドルリターンが標準なことです。
現代のリールもハンドルリターンは可能ですが、特に最近のリールだと返りが硬い印象で、やはり手でベールを戻すのが普通なんだろうなと思っていました。
僕の場合は、ハンドルリターンが体に染みついているので、カーディナルの方がスピーディーな動作になります。
続いてのメリットは、感度の良さです。
これには、使用間もない頃は驚きました。
水中でのルアーの泳ぎだとか、魚のアタリだとか、なぜか今まで使用したリールより感じ取れる。
確実に手で感じる情報量が増えているんですよ。
正直、使い始める前は、雰囲気重視で渓流で使用して、本気の時は最近のリールで攻めようと思っていました。
なんというか、玄人アングラーだけが使える気難しいリールだとばかり思っていたので。
しかし、玄人でなくともわかる感度の良さ。
現代でも、カーディナルを使い続けるルアーマンがいる不思議の謎が解けた感じでした。
あとは、メンテナンスがし易い構造ですね。
というか、自分でメンテナンスしながら使用する前提で作られているリールだと思います。
内部の部品もあまり多くなく、現在でも部品は入手可能なので、ヘタに10年くらい前のリールを購入するよりは良いかもしれません。
部品自体が製造中止になると終わりますからね。
さて、ここまでのメリットだけでカーディナルをおすすめしたいところではありますが、やはり今の時代に万人受けするリールではないと思っています。
デメリット
正直デメリットは、最新リールの性能と比較すると、かなりあると思います。
なので、性能の部分はなるべく触れずにいきたいと思います。
一点目は、なんといってもフェザリングが出来ないと、おそらくライントラブルが続出することです。
カーディナルは、ベールを上げてキャスト→フェザリング→ハンドルリターンというスピニングリールでは基本的な動作ですが、フェザリングの精度が結構重要です。
僕も疲れてくるとフェザリングの精度が落ち、ライントラブルが発生することがありました。
現代リールより確実に多いトラブル数です。
これにより、巻き取りが重くなります。
何かなと思えば、これになっています。
なので、フェザリングは人差し指を最大限使うことが重要になります。
カーディナルを使用してからというもの、この現象のおかげで人差し指でラインをすくい、ベールが返るギリギリまでラインコントロールを行うようになりました。
それと、ベールを手で返すことは出来ない構造(ハンドルリターンのみ)なので、現代のリールに慣れていると最初は戸惑いますね。
最初の頃は、キャスト以外の何気ない動作で困惑することがありました。
まぁ、ベール半開き動作に慣れると困惑はなくなってきます。
続いてのデメリットは、購入し難さについてです。
現在新品で購入するには、ディスプラウトから販売されているカーディナルを購入する必要があります。
で、これが限定生産品なんですよ。
近年、転売ヤーが釣り具関係でも多いじゃないですか。
限定生産なので、もちろん群がってくるわけですよ。
すると、プレミアム価格へ。
元々40000円くらいで、それほど安くはないのですが、そこに上乗せなので現代のリールを購入した方が幸せなはずです。
なので、ディスプラウトから販売されるカーディナルは、運が良ければゲットできるかもという代物。
そこで、購入金額を下げると中古市場でカーディナル33が目についてきます。
ただ中古なので、オーバーホールは前提になると思います。
あとは、復刻版のカーディナル33の場合、少し改造を加えないとトラブルが発生しやすいと思います。
なぜなら、ノーマル状態でラインを巻いてみるとプリン形状になることが多いからです。
部品を追加することで改善は出来ます。
そうは言っても、渓流ならカーディナル
締めとしては、やはり個人的には渓流ルアーフィッシングならカーディナルも現役バリバリなリールだということです。
渓流の風景に溶け込むなと思うわけです。
しかも、ただクラシカルな訳ではなく、現代にも通用する感度の良さ。
そして、ハンドルリターンの手返しの良さ。
卓越したバランス感覚。
メンテナンスだって楽しめる。
やっぱり、魅力的なリールなのです。