どうも、釣り人の有馬です。

先日、Twitterを眺めているとこんな文字が。
「放流しても魚は増えない」

釣り人としては気になる内容なのでクリックしてみると、北海道大学の論文発表についてでした。
放流に関する論文_1

論文の内容

正確な内容を知りたい方は、北海道大学のプレスリリースを確認してください。

英語の論文が読める方であれば、おそらくより濃い情報を見られると思います。
それ以外の方は、「詳細はこちら」というところをクリックすると日本語のpdfファイルをダウンロードすることができます。

僕は、念のため英語の論文の方も見てみましたが、さっぱりだったので日本語のpdfファイルをダウンロードしました。


で、内容をざっくりと説明すると、タイトル通り放流しても魚は増えないです。
(放流数を増やしても期待値より低くなりやすい)

北海道の保護水面河川において、過去21年間でのデータで分析を行ったところ、放流により川に生息する魚の間で競争が発生し、長期的には魚の数が減るというものでした。

たしかに、これまでも放流魚は自然繁殖の魚より生存率が低いと聞いたこともあるので、それが実際そうだと論文により証明されたというところですかね。
あとは、余計な競争により自然繁殖の魚の生存率も脅かされるという感じでしょうか。


ただし、環境が整っている河川であれば、放流によって増加する場合もあるようです。
環境が整っているとは、魚の付き場が魚の数だけ、またはそれ以上にあるということだと思います。
和賀川水系3_20220929

同じ川を毎年見続けていると気付きますが、河川工事などによって確実に川の状態は変わっていきます。

数年前までは、大淵だったポイントも今は、そこそこの淵というのは実際あることです。
和賀川水系の紅葉風景2022_4

そして、論文では魚がよりよく育つためには、生息環境の改善や復元が一番大事だと考えられるとのことです。

生息環境の改善や復元とは

で、具体的にはどんな改善や復元方法があるのか検索してみました。
水産庁のサイトです。

この中の<渓流魚の放流について>、放流だけに頼らない!天然・野生の渓流魚(イワナやヤマメ・アマゴ)を増やす漁場管理(令和3年2月)というpdfファイルが参考になりました。

この資料の冒頭でも、放流についての有効性について触れています。
やはり、魚の増加は、放流だけでは解決しないということです。

そして、川の管理方法について3点示されています。
詳細は、pdfファイルをダウンロードして読んでください。


この資料で特に参考になったのが、4~7ページ目の支流に禁漁区を設定するというものです。
全てを禁漁にするのではなく、本流以外を禁漁区にするという方法です。

これにより、禁漁区の支流で生まれた魚が本流に移動することで、本流に住む魚が増加したとのことです。

釣り人として

禁漁区については、わりと大きな話なので最後に個人でもできることを考えてみました。

まずは、魚の数を減らさないためには獲り過ぎないということだと思います。
個人的には、釣れた魚はすべてリリースしていますが、釣った魚は食べたいという釣り人もいるかと思います。

もともと、魚を食べるために釣りは生まれたはずなので、それは自然な行動だと思います。ただ、釣った魚をすべて持ち帰るのではなく、自分で決めた分で止めておくというのが大事だと思っています。

正直、リリースしたとしても、その後の生存率については不明です。
釣った時点で、魚の寿命を縮めているのは事実だと思います。

しかし、持ち帰るとその瞬間に川から魚が減るわけなので、少しの希望を残したリリースには意味があると思っています。


まぁ、そもそも論として、釣りをしなければ魚に余計な影響を与えることはないと思いますが、そこは釣り人なのでね。
やはり、やめられないわけですよ。

だから、少しでも魚の環境を壊さないことが大事かなと。


そして、数年前に個人的にメモしていて、未だに実現できていないものがあります。
それが、「釣れない釣りでも楽しむ」ということです。

釣果によって気持ちを左右されなければ、魚にも良いと思ったんですね。
ボウズであっても、釣果を得た時と同じように楽しめる釣行。

でも、実現できないんですよ。
やっぱり、釣果が出るまでは釣り上がるぞとか、この状況なら何尾以上釣りたいとか、尺以上を釣り上げたいとか、欲望満載でどう考えてもボウズでは満足いかないんですね。

今後の課題です。
黄金イワナ_20220926